Random Walker Log's Log

二度と見ない系ログファイル

20151214 正しい世界

外を出ると空気が冷たかった。こんな人生をあえて生きなければならない寒さが加わっているからだ。しかしこれは正しくない。ちょっとくらいつらいことがあっても、それは誰でも多少はそうなので、どんな人生であっても前向きに主体的に生きようとするべきなのは正しい。あまりに冷たくて泣きたくなってきた。しかしこれは正しくない。いつもよりちょっと寒くて、ぶるっと身が震えてしまったのは正しい。正しい世界では、低気圧でちょっとブルーな気持ちで外に出たら、思いの外寒くてちょっと震えちゃったのが正しい。
道を歩いている途中、木の小枝を踏んだ時に少し涙が出た。ぎりぎりの心には、足からのちょっとした刺激がナイフの一突きのように感じられたからだ。しかしこれは正しくない。ちょっと眠くてあくびが出てしまうのは正しいし、小枝を踏んだくらいではなんとも思わないのは正しい。正しい世界では、小枝を踏んだ時にちょっとあくびをして泣いてるような感じになっちゃったのが正しい。
スーパーで買い物をするとき、レジ担当の店員に、ありがとうございます、と言う習慣をつけているが今日は言えなかった。なんというか、もう全部わけわかんなくなって、それどころじゃなかったからである。しかしこれは正しくない。お礼の一言くらい言えて当たり前なのは正しい。正しい世界では、お礼の一言くらい言えて当たり前なのに、どんな都合だか知らないが勝手な都合で押し黙って無愛想な態度をとったのが正しい。
正しさに照らされてできた影だけがのっぺりと正しい世界を生きている。正しさは人を殺してさえくれない。