Random Walker Log's Log

二度と見ない系ログファイル

本にウルっとさせられたい

学校祭が始まっていたらしい。棟内でもいちおう公演イベントが開かれていたようだが、ちょうどその時間は睡眠外来の診察があって行けなかった。
実は、一週間くらい前から処方されていた睡眠薬が切れていて、薬無しで寝起きしていた。なのに睡眠リズムがかえってよくなっている。
相談した結果、とりあえず薬は出しておいて、様子を見つつ、眠れないようならその都度使うという形になった。
以前は過眠症状でペンも握れない日々が続いた秋を過ぎても、以前のような明確な不調はない。同室の人の鼻をすする音がすごく気になるくらいだ(向こうは向こうで、俺のすする音やタイピング音やルービックキューブを回す音なんかが気に障ってるかもしれない。だったらごめんね)。
気分がどうしようもなくなったら、よくルービックキューブを回して気分を落ち着けている。何度も繰り返していたら、ついに5x5x5のキューブを揃えられるようになってしまった。まず真ん中の3x3を6つ揃える。5つめと6つめが少しめんどくさい。次に"ふち"の部分を揃える。少し長めのステップを2つ覚えればその繰り返しでできる。そこまでできれば、あとは3x3x3の普通のキューブと同一視できる。

古本を一冊、amazonで注文した:

哲学通論 (岩波全書セレクション[I])

哲学通論 (岩波全書セレクション[I])

本当は、こういう本はリアル古本屋に足を運んで探し出してみたかったが、ある一つの本が欲しいとなるとamazonに勝てない。
哲学そのものに興味があるというよりは、この本の背景に興味があった。木村久夫という、京大の学徒でありながら兵士として駆り出され、B級戦犯死刑囚として処刑される数日前に、学生の頃読み込んだこの本を偶然手に入れ、何度も読みふけり、その余白に遺言を残したという。
blogos.com

難解乍ら生の幕を閉じる寸前、此の書を再び読み得たと言ふ事は、私に最後の楽しみと憩ひと情熱とを再び与へてくれるものであった。数ケ年の非学究的生活の後に始めて之を手にし一読するのであるが、何だか此の書の一字一字の中に昔の野心に燃えた私の姿が見出される様で、誠に懐しく感激に打ち閉ざされた。

書かれたものが遺言書ならば、私は此の書の書かれざる、何となく私と言ふものを象徴してくれる最適のものとして此の書を紀念として残すのである

最後に再び田辺氏の名著に接し得たと言う事は無味乾燥たりし私の一生に最後一抹の憩ひと意義とを添えてくれる物であった。母よ泣く勿れ、私も泣かぬ。

 紺碧の空に消えゆく生命かな

一人の人間にここまでの思いを抱かせる本、一人の学問人の始まりの日と終わりの日を看取った特別な本である。こういうストーリーが欲しくなる年頃なのである。
もし自分が牢屋に打ち込まれたとして、死刑が決まったとして、差し入れされた時にこんな気持ちになる本って、果たしてあるだろうか? この間、学部後半〜大学院受検期に何度も読み込んだ伊藤清三『ルベーグ積分入門』を久しぶりに紐解いてみて、あまりの懐かしさにちょっぴりウルっと来たんだけど、獄中という特別な空間で読むとまた特別な思いになるだろうか。そんな本に、これから新しく出会えるだろうか? 俺は、「これからは、俺の精神は、ここまでで築いた遺産で暮らさなきゃいけないんだ」と思わされるその日が来るのが怖い。ウルっとくる本、どんどん現れて欲しい。
この本もそうなったらいいよなと思いながら配達を待っている。と言いつつ、実は図書館で借りてきて最初の2,3ページくらい読んでたりする。難解だけど哲学の入り口としては良い本らしいよ。

修論:一つの(問題設定にあたる)セクションまで執筆完了。パーセントでいうと15%くらいの進捗だろうか。
懸念していた英語も、他の論文を参考にしつつなんとか書けている。問題は、研究の動機など"地の文"がたくさん必要なアブストとイントロダクションの章だろう。
明日は、次のセクションで雑に計算していた部分を詰める。